小林県議インタビュー

【小林一大県議】

《プロフィール》
小林一大県議は、新潟市秋葉区出身。1973(昭和48)年生まれの45歳です。
奥さんと4人のお子さんと暮らしています。
大学進学を機に新潟を離れるものの、学生生活、保険会社の営業を経て帰郷。
33歳で県議会議員に初当選しました。

櫻井くん ご家族は賑やかで楽しそうですね。
小林県議 楽しいね。賑やかですよ。上が双子で、中学校三年生、下は小学校四年生と幼稚園。大変です。忙しいけど、GWは1日ぐらいは家族とずっと一緒にいる時間を見つけたりね。大したことしてないけどね。
櫻井くん いいパパですね。
小林県議 日帰りでディズニーランドとか行ってきたよ。
櫻井くん
野村さん
えー!すごい!
小林県議 2時くらいに出て、朝、7時半くらいについて。それは唯一、GWにできた家族サービスです。あとは仕事をしてました。
櫻井くん 県議会議員さんとお話しできるなんてなかなかない機会ですから。
小林県議 地域地域で、いわゆる僕ら政治家の後援会っていうのがあって、後援会の皆さんとはしょっちゅう会合したり、食事したりしてるけど、若いみなさんとこういう機会は、僕も本当にないですよ。
櫻井くん 政治って、若い人たちにとっては、どうしても大人の世界の話で、身近なことだと感じにくいんですよね。突然、「はい、選挙権持ってもいいよ」って投げ出される感じがあります。君たちも当事者なんだよって大人の方からも示してあげることって必要かなと思いますね。
小林県議 国政とかは、ニュースでもしょっちゅう見ますよね。憲法、外交、消費税なんかについては、学生の皆さんひとりひとりの意見があるでしょう。でも、地方の政治は、テーマが個別具体的。生活実感がない中で、皆さんピンとこないというか、僕らもまだ示しきれてないところです。
野村さん 国会と県議会にはそういう違いもあるんですね。
小林県議 やっぱり政治は身近にあるもの。特に地方政治みたいに身近なことこそ、実は皆さんに一番関わっていることです。本当に身近なことなんだよ。
櫻井くん 自分で決めるっていう意識ですよね。
小林県議 僕らが言うのは難しいけど、今日本にとって足りないなぁと思うのは、自ら参加して、政治を変えようとか、社会に影響を及ぼそうとかという意識。回り道なんだけど、それを僕ら政治家が、示したい。今回、県連のホームページを若い人にも見てもらいやすくリニューアルしたんだけど、政治意識が広まるきっかけになればいいな。
櫻井くん なかなか政治って身近に感じにくいんですけど、どうやったら身近に感じられるんでしょうか
野村さん 若い人は特にそうですね。
櫻井くん そうだよね
野村さん 私達は有権者教育もなかったので、もししていれば、少し違ったのかも。自分で調べたり、興味を持つきっかけになったのかもしれないなって思うんです。若い人だと、情報源は新聞よりもSNSなので、知りたいことは自分で選ばないといけない。
小林県議 そう。だから、政治家や政党は適切な情報を、出していかなければいけないと思います。その一方で、それを全部鵜呑みにするのは絶対ダメ。みんながしっかり受け止めて、判断できるようならないと。SNSって何見るの?
櫻井くん 僕は、Facebookとか。
小林県議 え、Facebook使うの?最近の若い人はあんまり使わないって聞きましたよ。
櫻井くん ああ、よくおじさんのメディアって言いますよね。
小林県議 そう、40、50のメディアとか言われてるから。
櫻井くん あとは、twitterとか、Instagramは見るだけですけど。
小林県議 へぇ、女子は??
野村さん 私は同じくFacebookとtwitterとか。
小林県議 Facebook使うんだ!そっか、じゃあFacebookもいいんだね。
櫻井くん Facebookは主流だと思いますよ。
櫻井くん 小林さんが政治に関わるようになった、当事者意識を持ったきっかけみたいなものはありますか?
小林県議 社員のころは保険会社に勤めていて、社会の基盤を支える仕事だった。そういう仕事をしながら、一方で、将来は新潟に戻りたいなと思っていました。同じように何かを支えることができて、新潟に戻ってできる仕事を考えたときに、政治じゃないかなって。
野村さん そういう時に、お仕事として政治家に思い至るのがすごいと思います。
小林県議 政治って昔は、強力なリーダーシップを発揮して、みんなを引っ張っていくイメージ。でも、多分そういう時代ではなくなったんです。これからの政治はね、みんなが活躍できる、社会を支えて、人と人とを結びつけて、弱い人をサポートして、っていうものだと思います。だから僕もそういう仕事をしたいって、決意しました。
野村さん 政治家に求められるお仕事も、変わってきているんですね。
小林県議 政治って昔ほどハードルは高くないと僕は思います。お金のこととか、選挙運動のこととか、まだハードルはあるんだけど、インターネットでも選挙活動はできるし、いろんな方法があります。若い人もどんどん入れる余地が増えてきた。そういう先駆けになりたいなと思っています。
櫻井くん みんなを引っ張る、リーダーシップを発揮する政治家というよりも、市民を支える政治家かぁ。
小林県議 そうそう、そういう人もいっぱいいると思いますよ。昔は、どんどん右肩上がりで、潤沢な予算があった。これを配分するのが政治家の仕事でした。そういう時代の例をあげたら、田中角栄さんとか。けれど今はもう、そういう時代じゃなくなったんです。一人一人が頑張れるような仕組みを作るのが政治家の仕事。
櫻井くん すごい、泥臭い仕事ですよね。
小林県議 泥臭いと思う。でも、僕ね、学生さんによく言うことがあります。ああ、採用面接官みたいで、ごめんね。泥臭くない仕事なんてないんだよ。どんなにおしゃれで、格好良さそうな仕事だって全て泥臭い。けれども、泥臭い仕事であっても、どこかキラリと光るかっこいいところが絶対にある。それを乗り越えれば喜びになるからさ。
野村さん 今、具体的にどういったお仕事をされているんですか。
小林県議 仕事は、議員なので、議会に出ます。行政のみなさんから、こういう予算で県の仕事をしたいとか、こういう条例を作って、こういうところを直したいとか、提案があるわけですよ。そういった企画をする行政の部分について、議員がいいですよって言わなければ、県の仕事は、なにもできないんです。だから、僕らがちゃんと見て、これは正しい方向に行ってるのかな、ちょっと変えたほうがいいんじゃないかなと、議会の中で議論をしている。これが一番の仕事です。
野村さん 地域のことについて、議会で議論をするのが一番のお仕事なんですね
小林県議 だけど、僕らは、自分の選挙区の皆さんから色んな意見を聞いたり、色んな所に出向いていったりもしています。会社員みたいに定時働いて終わりじゃなくて、朝早くから出かけることもあるし、夜遅くまで出ていることもあるし、いろいろな方とお酒をくみかわすこともあるんです。そうやって、常に情報のアンテナを高くして、勉強して、県民の皆さんのためにできる議論をしています。
櫻井くん 議論を良くするために、いろんな情報が必要なんですね。
小林県議 そのために本当に大事なのは、人に会って話をすること。また、現場に行って、実際に見ること。すごい難しいことですけど、起きてから寝るまで、人と会ってることが仕事なのかなと僕は思ってます。ひとつひとつ、良くなる方向に行くように、全てのものに対して自分なりの意見を言って、それを人に説明できるようにね。
野村さん 決まったパターンで生活しているわけじゃないんですね
小林県議 ルーティンワークは殆ど無いですよ。議会の時は、何時から始まって、10時から17時頃までは議論の場っていうのはあるけどね。それ以外は、朝から晩まで仕事といえば仕事だし、何もしてないといえば何もしてないっていうふうな批判をしようと思えばできますけど、そうじゃないんですよ。
櫻井くん 議員さんが普段どういうふうに働いているのか、知りませんでした。
小林県議 学生さんと同じようなところがあるかなぁと。学生だって、日々勉強じゃないですか。一方で毎日遊んでるって言えば遊んでるじゃないですか。人と会って色々会話をすることが勉強になったり、海外に出かけて色々な最先端のものに接したり、遊んでいるようで勉強していて、そういうことが人生に絶対役立つ。人と仲間意識を強く持つことだって将来絶対役立つわけだから、まあ、同じようなことかなぁと思うんですよ。
櫻井くん そう考えると、普通の働き方とはまた違いますね。
小林県議 そうだね。時間に縛られてはないです。でも、世の中、サボろうとしてサボっている人も中にはいるんです。みんな一緒だと思われるのは、それは恥ずかしいことですね。
野村さん 新潟は、これからどうなっていけばいいですか。展望みたいなものはありますか。
小林県議 やっぱり人口は減っていくんだよね。あらゆる政策を導入して頑張ってるけど。そうした中でも、新潟で生まれた、育った、勉強した、仕事したっていう人たちが、ハッピーで幸せだって言えるような、そういうまちづくりをしていきたいなと。新潟にいることが誇りに思えるような。働く場所があって、海外からも新潟に観光に来ることが楽しいと思えるような、そういう街にしたい。
櫻井くん それは素敵なことですね。
小林県議 そのためには、教育して人を育てることだね。長い目で見れば、必ず新潟に恩恵が返ってくる。櫻井さんが、就職は東京でしても、将来は新潟に戻りたいって思うのは、新潟が好きだってことでしょ。新潟で勉強したことを誇りに思ってる。新潟の自然を愛してるからだよね。野村さんが、農業土木を勉強したのはやっぱり新潟の農業に愛着があって、新潟の農業には可能性があると思っていらっしゃるから。こういう人を増やしていけばいいの。そうすれば新潟は絶対強くなるから。
野村さん 人を育てることが、地域を強くするんですね。
小林県議 新潟を離れることはいいんだよ。もし遠くにいても新潟を思ってくれればいい。例えばふるさと納税、お金を出すとか、知恵を出すとか、何かあったら駆けつけるとか、遠くからでも支える方法はいくらでもありますよね。そういう故郷を作りたい、というか僕はずっともう新潟にいるから、そういう故郷として維持していきたいなぁ。若いみなさんと一緒にね。
櫻井くん 離れても関係が持てる場所かあ。
櫻井くん 知事選もありますが、自民党として、新潟をどう変えていきたいかとか、どういう新潟にしていきたいかとか、自民党としての思い、この立場だから考えているということはありますか。
小林県議 自民党としてだと、たぶん、今話してきたことに加えて、新潟の拠点性を高めたい。空港があったり、港湾があったり、こういうことをまだ活かしきれていない。そして、活かすだけの産業もまだできていないんですよね。そのためにはもちろんお金、予算もいるし、融和力も人脈も必要ですよね。
櫻井くん
野村さん
うんうん。
小林県議 ただ、県知事選だけで言えば色んな意見があるでしょうけど、前回の知事選は、原子力発電所のことがね、それだけとまでは言わないけど、それが一番のテーマになっちゃった。県民の安全と安心を守るのは行政の役目だから、もちろんそれもすごい大事なことなんだけど、それ以外のことが全然議論されなかった。これは不幸なことで、今度はそういう知事選にはしたくないなぁと思います。今後の新潟をどうしたいのかっていうことをしっかりと議論できる知事選にしたいですね。
櫻井くん 議論に一石投じるっていう意味でも選挙ってすごい大切な場面ですよね。
小林県議 大事、大事。これは民主主義の大事な場面なんですよね、選挙は。選挙を棄権するってことはしてほしくないな、特に若い人には。よく自分の一票で変わる変わらないって言うでしょ。確かにそう、変わらないかもしれない。だけど、選挙に行くっていうことが大事。少なくとも、一瞬でも考えるわけだよね、この地域をどうしたいか。それが大事なんだよ。
野村さん 今までお仕事された中で、大変だったことはどんなこととか、どんなこと考えながらお仕事されてるのかというところをもうちょっと聞かせてもらえますか。
櫻井くん 大変だった話、聞きたいですね。
小林県議 やっぱり人を説得しなきゃだめなんですね。やりたいことをなかなかわかっていただけない、このジレンマって、本当に大変なときは大変です。有権者の皆さんもに対してもそうだし、一緒に政治をやってる政治家同士でもそう。そのときに、理解していただくかどうかって、熱意があるかどうかだから。本当にやりたいと思ってるかどうか。
櫻井くん
野村さん
熱意。
小林県議 そのためには色々勉強もしたり、根回ししたりも必要です。その時のために毎日毎日過ごしてるのかなと、無駄な時間は1秒もないのかなと頑張っています。
櫻井くん 説得するのが上司一人だったらまだいいんですけどね。有権者や政治家同士ってなると大変ですね。
小林県議 上から何か言われてお仕事するわけでもないですし。大変な仕事ですよ。
小林県議 自民党の宣伝をしようなんて全く思ってないんですよ。みなさんに政治に関わってもらうことが、地域を強くするって本当に思っています。結果的に僕らを支持していただければ、それは嬉しいことですけど、それは別に、他の党のほうがいいよねって思ったらそれはそれでいいんですよ。そういう政治風土を作りたいなと。これからも頑張りたいです。
櫻井くん
野村さん
ありがとうございます。

(2018年05月07日 やすらぎ堤 にて)