政治トリビア第二弾!選挙の時、得票数が同じ候補者がいたらどうなるの?

日本で初めての選挙の投票率は?

日本ではじめて行われた選挙は1890(明治23)年7月1日の
第1回衆議院議員総選挙。
このときの投票率は、なんと驚異の93.91%だったんです!

といってもこの選挙、有権者は国民全体のわずか1%ほどしかいませんでした。
なぜなら選挙権を得るためには、ある条件をクリアする必要があったのです。
それは以下の2つ。

・25歳以上の男子
・直接国税15円以上納税

今から120年以上も前の15円とはどのくらいの価値だったのでしょう?
現在の物価と比較することは難しいのですが、参考までに、金1gの値段をくらべてみましょう。

【2018年5月1日現在】5033円
【1871(明治3~4)年】およそ67銭(100銭=1円)
【1897(明治30)年】およそ1.3円



つまり、このころの選挙は、25歳以上でお金持ちの男性だけが参加することを許されていたのです。

ちなみに、「20歳以上の男女」が選挙権を得られるように法整備されたのは1945年、第一回衆議院議員選挙から55年も後のこと。
このときの「20歳以上の男女」は、当時の全人口の48.7%にあたり、第22回衆議院議員選挙(1946(昭和21)年4月10日)の投票率は72.08%でした。

コメント

日本ではじめて行われた選挙にまつわる数字には驚きっぱなしです。
投票率は9割を超えますが、有権者はたったの1%。
選挙は限られた一部の人のものだった時代があったということがよくわかりますね。


【参考サイト/URL】
MIC MONTHLY 総務省11月号
https://withnews.jp/article/f0171021002qq000000000000000W02110101qq000016107A

田中貴金属工業株式会社|日次金価格推移
http://gold.tanaka.co.jp/commodity/souba/d-gold.php

日本銀行金融研究所貨幣博物館 – 日本貨幣史 本文
http://www.imes.boj.or.jp/cm/history/content/#Modern

選挙の時、得票数が同じ候補者がいたらどうなるの?

投票の結果、同じ得票数の立候補者がふたり以上いて、その中から当選人を決めなければならないことがあります。
このとき当選人を決定する方法は、「くじ引き」。

公職選挙法には以下のように定められています。

※1『当選人を定めるに当り得票数が同じであるときは、選挙会において、選挙長がくじで定める。(公職選挙法第95条)』

公職選挙法では、くじのやり方まできっちり規定はされていませんが、よく使われる方法が「棒くじ」です。
先端にそれぞれ1~10の数字が書かれた10本の棒を用意して、ひとりずつ順番に棒くじを引きます。すべての候補者の中で、いちばん小さい数字を引きあてた候補者が当選人となるやり方です。

非常に珍しいことではありますが、最近でも事例があります。
2018(平成30)年4月8日、任期満了にともなう佐賀県有田町議会議員選挙が行われました。
定数16に対して立候補は18人。開票の結果、508票の同数でふたりの候補者が同率最下位(16位)となりました。これによって、ふたりの候補者はくじ引きに運命を委ねることに。

結果、現職VS新人の一騎打ちは、より小さい数字を引いた新人が勝利しました。

コメント

得票数が同じになることがあるとは考えもしませんでした。
くじ引きで決めるなんてびっくり。
法律はこんな場合もきちんと想定して準備しているんですね!


【引用サイト/URL】
※1公職選挙法|電子政府の総合窓口e‐GOV
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=325AC1000000100&openerCode=1#K

【参考サイト/URL】
<有田町議選>くじ引きで最下位当選 新人が当選|行政・社会|佐賀新聞ニュース|佐賀新聞LiVE
http://www.saga-s.co.jp/articles/-/203030

投票に行くと特典があるってほんと?

そう、本当なんです!
「センキョ割」というサービスをご存じですか?

センキョ割とは……

※2『投票済証を提示するなどして選挙で投票したことを証明すると、飲食店や専門店で割引などの優待サービスを受けられる取り組み。若者の社会参加と投票率向上、選挙による地域活性化を目的に、2012年12月の第46回衆議院議員総選挙よりPR会社の株式会社ワカゾウが実施している。』

最近では全国展開が進み、センキョ割に賛同するお店も増えています。
その数はなんと600店舗以上!
現在は、高校生や大学生からなる「全国センキョ割学生実施委員会」が中心となって活動しています。
新潟でも、2016年の新潟県知事選挙ではイオンシネマ新潟、2017年の衆議院議員選挙では一風堂やBar森亜亭がセンキョ割に参加し、この活動をサポートしています。

ちなみに、2016年からは新潟県内でも、独自の取り組みがスタートしたのをご存じでしょうか?
その名も「選挙とくとくキャンペーン」!
こちらもやはり、協賛するお店で割引や値引きなどのサービスが受けることができ、参加店舗も広まっています。


【引用サイト/URL】
※2センキョ割(せんきょわり)とは – コトバンク
https://kotobank.jp/word/%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%AD%E3%83%A7%E5%89%B2-1823027

【参考サイト/URL】
参院選 投票すると割引などの特典が 100超える店舗が参加|上越タウンジャーナル
https://www.joetsutj.com/articles/36578705

選挙権の年齢は日本では18歳。
外国ではどうなっているの?

2016(平成28)年6月、これまで20歳だった選挙権年齢が18歳に。
この改正案の国会審議中には、「諸外国では18歳選挙権をとる国が多い」といった発言もありましたね。

では、実際のところ、世界ではどのくらいの国が18歳での選挙権を認めているのでしょうか。

2015(平成27)年、国立国会図書館が、世界の選挙権年齢について調査を実施。
これによると199の国と地域のうち、およそ9割にあたる176の国と地域で18歳までに(17歳以下を含む)選挙権を認めていることが分かりました。
G8(2014年以降G7)では、全ての国が18歳で選挙権を与えています。

17歳以下で選挙権を得られるのは、オーストリアなどで16歳、東ティモールなどでは17歳。
これに対して、19歳以上で選挙権を得られるのは、台湾などで20歳、マレーシアなどでは21歳。

また、インドネシアやドミニカ共和国など、特別なルールのある国もあります。それは、「結婚している者は年齢にかかわらず選挙権が与えられる」というもの。

『社会の一端を担う』
目に見えない役割を背負う基準をどう決めるのか、国によっても考え方はさまざまのようです。

コメント

海外の選挙権年齢を見習って、日本でも18歳に引き下げられた選挙権年齢。
政治への門戸は、長い時間をかけながら着実に開かれてきました。
若い有権者も、意見を発信する貴重なチャンス。家族や友達といっしょに、政治について考える時間が増えるといいですね。


【参考サイト/URL】
那須俊貴(2015)『諸外国の選挙権年齢及び被選挙権年齢(資料)』国立国会図書館
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/9578222